二月分のまとめ書き その一


 9.  1日 『チェーホフ短編集』  あうるすぽっと

初めての劇場なので早目の到着を心掛け、目論見通りに開場前に到着。地下鉄に直結したビルの階上に劇場が入っているので便利だし、出来たばかりでとても綺麗な建物。開場時間まで、ロビーに設えられた椅子に座っていると、背後で聞き慣れた声。『あっ、『IZO』に出ている木場さん!? でも、まだ公演中じゃないの?』と振り返ると、間違い無く、木場さんご本人。後で確認したら、金曜日夜公演は初めから無い。珍しいね。折角の週末公演なのに。

前置きが長くなった。
舞台は、チェーホフの短編戯曲の幾本かを組み合わせての上演。でも、それぞれの物語が少しずつリンクする構成にオリジナル編集がなされ、最後のシーンが最初に戻る創りに成っていた。

 < 演 目 >
『ドラマ』
『外国もの』
『たばこの害悪について』
白鳥の歌
『熊』
『プロポーズ』

新国立劇場でも短編集を纏めた作品を観ているので、抵抗感は全く無かったし、重なっている作品も有り、演じる役者や演出家が違うと、印象がこうも変わるものかと感じながら観た。特に、最後の『プロポーズ』は、新国立で演じた麻実れいさんの物凄く可愛かった印象が強烈に残っていて、ワタシ的には、それが“最強”の決定版という評価は今回も変わらなかった。相手役は今回の戸谷昌弘さんが良かったけど。
良く出来た良質の作品ではあったが、参加役者と演出家が「子どものためのシェイクスピアシリーズ」の常連達なので、全体の空気感と言うか作品の質感に、それらの派生作品という印象以上のものを感じられなかったのは、少し残念。


10.  2日 Inouekabuki☆號 『IZO』 (三回目)  青山劇場

主役の拙さも含めて、この作品はやはり好きだった。モノトーンの墨絵にも似た哀切感がいつまでも心に痛かったし、いとおしかった。幕切れとその前のお白州シーンでの、以蔵の心からの叫びと独白の、一つ一つの台詞が格別。秀逸。いつかまた観たい。


11.  3日 彩の国シェイクスピア・シリーズ 第19弾 『リア王』  さいたま芸術劇場

平幹二朗さんが泣きながら熱演している。その事だけで充分な舞台。途中、多少だれる箇所は有るものの、そんな事はどうでもよくなる。
それにしても、主要人物の衣装が、全て超ロングの毛皮! 衣装代はどれだけ掛かっているのか。目が丸くなった。


12.  6日 ショー・劇 『Endless SHOCK』  帝国劇場

かねてからの噂の舞台を初めて観た。タッキー主演の『滝沢演舞城』を初演から観ている私にとっては、似た演出があちらこちらに使い回されているのを確認して、どちらが先かは知らないけれど、これらはジャニー喜多川氏の定番だったのかと理解した。
でも、タッキー初演幕開け時の真紅の布キレが縦横無尽に飛び交う演出以上の凄いものを期待したけれど、新たなワクワク感は殆んど無かったのはちょっと寂しい。


....続くかどうかは気分次第。