NHK土曜ドラマ 『マチベン』


今春、NHKは番組構成を大幅に見直すそうで、土曜ドラマの時間帯も従来より一時間繰り上げた、との事。


「プレマップ」や「テレマップ」(二つの違いは知らない)で、このドラマ紹介に山本耕史くんが出ているのを観た時から、出来る限り観ようと決めていた番組。
前クールでは、堺雅人くんを目当てに、金曜時代劇『出雲の阿国』を観ようと決めていたのに、結局、一回分観られなかった。今回のドラマも全6回シリーズは『出雲の阿国』と同じ長さだが、先々の道楽予定の埋まり具合が早かったので、二回は観られないかも。


さて、観ましたよ。一回目。
タイトルの『マチベン』とは、町の小さな法律事務所に所属し、市井の人々の為に奔走する弁護士の事、だそうだ。町の弁護士 ⇒ 略して ⇒ マチベン


山本くんの役は、法曹界サラブレッド・神原啓吾。ハーバード大学ロースクール卒業で、元最高裁判事を祖父に持ち、父も有名弁護士、という三代続く法曹家庭に育った超エリート。トラディショナル・ファッションで決め捲った二枚目振りが眩しい。嬉しい。


しかしまた、『新選組!』で培った天然ボケ振りも健在。
って言うか、この演出家は絶対に狙っているだろう? と聞きたい。
開始間もなくのシーン。主人公・天地涼子(江角マキコ)の所属する「えびす堂法律事務所」を訪問した啓吾は示談を提示するが、涼子に一蹴され退却。その帰り道の歩道。後ろを振り返りながら、「絶対に(裁判は)負けないからなっ!!」と啖呵を小さく切ってキメたつもり(眉間に縦皺まで創って、土方モードが入っていたね).....が、この時、前方から来た出前持ちか何かの自転車にぶつかり、アワワッとよろける。お兄さん、前方不注意! っていうだけかと思ったら、カメラが切り替わる。
前方から回り込んだカメラには、よろけた拍子に右足の靴が脱げている事がしっかりと映っている。何、この人、一人で決めたつもりが、自転車と衝突して、その挙句、道端で靴まで脱げちゃったの?! カッコ悪い〜〜!! ってところ。上等なファッションで決めた人だからこその可笑しさが出ている。つまりは、オマヌケ振りの初手を、つつがなく完璧にご披露。


でも、最後まで観ると、土方みたいにクールだけどオマヌケ、龍太(『恋におちたら』の魚屋さんの役名)みたいに熱いけどオマヌケという、いずれのキャラでもない。良いところのボンボンではあるが、だからこそ、純なところも真っ当な信念も年相応より多く持ち合わせ、その結果、ちょっと怖いもの知らずな弁護士、だから墓穴も掘るオマヌケ、という感じかな。


主要登場人物達の描き込みも初回にしてはまぁまぁだし、毎回ゲスト出演が有るみたいで、次回は「ナイロン100℃」の大倉孝二くん。次回も期待したい。