オペラ 『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』  新国立劇場 オペラ劇場


指揮:ファビオ・ルイージ
演出:グリシャ・アサガロフ
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団



『カヴァレリア・ルスティカーナ』


作曲:ピエトロ・マスカーニ


<配役>
サントゥッツァ:ガブリエーレ・シュナウト
トゥリッドゥ:アルベルト・クピード
アルフィオ:小林由樹
ローラ:山下牧子
ルチア:三輪陽子



『道化師』


作曲・台本: ルッジェーロ・レオンカヴァッロ


<配役>
カニオ:クリスティアン・フランツ
ネッダ:大村博美
トニオ:河野克典
ペッペ:樋口達哉
シルヴィオ:星野淳
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団


2004年9月に新国立劇場で初演された舞台の再演版。
ヴェリズモ・オペラ”の二大代表作と言われる二作品を、共通の舞台装置を使用し、1950年代に時代設定した衣裳を着用しての演出。


今回は、何を置いても、指揮者のファビオ・ルイージ氏に尽きる。
一本目の作品の時には、誰が指揮者かを知らずにオケを聴いていたら、昨日の東京フィルも良かったけれど、今日の東京フィルも別格と言って良い程に素晴らしいじゃないか! と予想外のレベルの演奏に嬉しくなってしまった。起伏に富んでいるし、素晴らしく叙情的だし、隅々まで神経が行き渡っている。各パートもきっちりと仕事をこなしている。一流海外オケと言われても、納得してしまいそうな出来栄え(ちょっと褒め過ぎ?!)。今日は本当に傑出していた。
休憩後の二本目の始まりで指揮者が登場した時、天井桟敷から覗き込んで確認したら、ファビオ・ルイージ氏ではないか。驚いた。素晴らしい筈だ。
二本目『道化師』の演奏はますます冴え渡り、『カヴァレリア・ルスティカーナ』よりも更に良い出来栄え。時折、歌手の技量を遥かに越えた水準で演奏し、アリアを歌う歌手が霞んでしまうシーンすら有った。

だからと言って、今日の歌手が良くなかった訳では決してなく、それどころか、今日は主役級の歌手全員の出来が大変に良かった。
新国立劇場のオペラは、ややもすると、不満ばかりが残る舞台も有るのだが、今日の舞台は何から何まで大満足。終演後、周囲から聞えて来る声も、満足感に因る興奮気味なものが多い様に思えた。